経理マンの起業体験記No.1・・カメラ輸出

はじめに

輸出革命エキスポーターズを受講して、副業でお給料くらいの金額を稼ぐようになった私は、会社を辞めてこの商売に専念することにしました。

当時は毎月利益の金額が増えていたので、売上や利益が下がることはもはやないだろうと楽観的に考えていたのも会社を辞めることができた理由です。

税務署に勤務していた時は、自営業者の方のほとんどが生活していくのに精一杯といった状態なのをずっと見ていました。
それに比べて、私がサラリーマンをやっている時には、自営業者の方に比べて、いつも何かに守られながらお金をもらっているといった気持ちでいました。

こんなことをいつも考えていた私は、お給料くらいの金額を自分で稼げるようになった自分を「俺ってちょっとすごいじゃん」と思ってしまったのでした。

事務所を借りました

カメラ輸出に専念しようと思った私が、是非ともやってみようと思ったことが二つあります。
それは、事務所を構えることと、人を雇うことです。

どちらも固定費を増やすことなので、普通やるべきではないと判断すべきことですが、カメラ事業の規模を増やす上で必要だと思ってしまいました。

カメラの輸出をするには、在庫の保管場所を確保する必要があります。
発送をよそに依頼している場合は保管場所など確保する必要がありません。
しかし、カメラの発送をよそにまかすと、大体一つにつき2,500円~3,000円くらい費用がかかるのです。

レンズはそれなりに丁寧に梱包しないとレンズに傷がついてしまいます。
カメラのボディは、結構な重さになりますので、途中落とされても壊れない梱包をするには、それなりのノウハウが必要になります。

こういうことを考えながら、きちんと梱包するとなると時間もかかりますので、一つにつき2,500円~3,000円くらいの費用が多いかと言うと、そんなこともないと思います。
しかし、発送をよそに依頼するのはそれなりにデメリットがあるのです。

例えば、カメラを出品していると、ここをチェックしてほしい、ここの部分を大きく撮った写真を見せてほしいなどのメールを、見込み客から来ることがあります。
こういった時よそに発送を依頼していると、「ちょっとここをチェックして」とお願いした場合に追加費用がかかったりして、融通が利かないことがあるのです。
このような見込み客からの依頼に答えたからといって、売上に結びつかないことも多いので、依頼に対応しないと決めるのも一つのやり方ですが、やっぱりお客さんの要求には応えたいと思ってしまいます。

事務所を借りると言っても、別に事務所専用の部屋を借りた訳でもなく、普通の居住用のワンルームを事務所に使ってもいいよ、といったお部屋を借りました。

人を雇いました

自分一人でやれることは限られているので、人を雇うことは当初から考えていました。
正直に言うと、カメラの輸出でやることと言えば、カメラを買って、検品して、お客さんが買ってくれればお金を受け取って発送するといったことを繰り返すだけです。

これならば、組織を作って拡大していけば、私は何もしなくても会社に利益が上がるのでは、などと能天気に考えてしまった訳です。

私が人を雇うことを考えているのを妻に話すと、妻の妹の旦那さんが働いてもいいと言っていることを聞きました。
私は、この時は人を雇う最大のリスクは不正を働く従業員を雇うことではないかと思っていました。
何百万円かのカメラの在庫を持っていたため、これらの在庫を持ち出され転売でもされたらかなわないと思っていました。

そこで、身内の人が働いてくれるならば、これ以上結構なことはないと思ってしまいました。
これは結局大間違いだったことが判明する訳ですが、あまりこれ以上のことは考えていませんでした。

妻の妹の旦那さんは韓国人だったため、法人成りした方がビサが出やすいという話を聞いたため会社組織にしました。
商売の規模を大きくすることを考えていたため、いずれはしなければならないことを今やっておこうといった、これまた慎重さが足りないことをやってしまいました。

社会保険料の請求額にびっくりしました

法人成りして、社会保険の手続きをとって、しばらくすると社会保険庁から社会保険の請求がきました。
別に知らなかったことでは無かったのですが、会社員の時の倍の金額が請求されているのをみて、これは大変だと思いました。

会社からもらう報酬について、会社員の時と同じくらいにしておけば大丈夫かなと安易に思っていたのですが、サラリーマン時代に会社が負担してくれていた分も稼いで納付しなければならないことを見落としていたのです。

「法人税をゼロにするくらいに報酬を設定しておけばいいのかな」と思っていたのですが、正直なところ法人税を気にするのは十分に利益が出るようになってからで良かったのです。
そんなことより本当に気にすべきだったのは、社会保険のような利益が出なくても請求されるようなものについて何倍も気を遣うべきであったことが、会社を作ってしばらくたってからやっとわかりました。

後に行政書士の方から、法人形態で事業を運営していても、社会保険に入らない会社の数の方が多いのではといった話を聞きました。
社会保険を会社負担分も払うようになると、社会保険に入りたくないといった会社の経営者の気持ちが痛いほどわかります。
社会保険庁から毎月あたかも当然のことのように請求書が送られてきて、泣く泣く高い保険料を払う気持ちは起業してみないと本当のところは分からないでしょう。

人を雇ったことが裏目に出ました

カメラの転売は初めてから一年くらいはそこそこ利益が増える感じで推移しておりました。
しかし、ある時突然売上が前月の半分になってしまったのです。
それも全くの偶然ですが、妻の妹の旦那さんを雇った月に突然売上が半分になりました。

本当にヤバイと思って、私の報酬を健康保険と年金が最低ランクになるくらいまで落として、まず社会保険を何とかしようと思いました。
しかし、社会保険は3か月たたないと減らすことができないため、その間報酬よりも社会保険の方が多いという状態になってしまいました。

この事態は全て私の責任なのでどうしようもないのですが、商売はこんな状態なのに、妻の妹の旦那さんはあまり仕事を覚えようとしない訳です。
私としては、二人で頑張っていこうみたいな気持ちで、自分はほとんど無報酬で彼には約束のお金を払い続けていた訳です。
しかし、仕事に興味がわかないのか「あなた稼ぐ人、俺もらう人」みたいな感覚で、就業時間中発送などの単純作業をして過ごし、お金に直結する仕入をなんだかんだ言い訳をしてやらない訳です。

しかし、これは私の目線から言った話であり、従業員の立場から言うと「就業時間中仕事をやっているのになぜ責められなければならない」といった話になる訳です。
私もつい先日までサラリーマンをやっていて、多かれ少なかれこういった感覚を持って働いていたので分からない話ではないのですが、従業員とはこれほど期待通りには動かないものだということを実感しました。

結論から申し上げますと、私が従業員を雇うのは時期早々だったと思います。
従業員を雇うのは、例えば100万円稼いでいる人が、仕事をちょっと手伝ってもらうのに5~10万円を払うといったくらいになるまでは待つべきだと思いました。

事務所をたたむことにしました

無報酬状態が半年くらいたったあと、このまま続けることはできないと決心し、妻の妹の旦那さんには辞めてもらい、事務所を解約してカメラ輸出の事業をたたむことにしました。

当時、妻の転売が軌道にのって楽天に出店した時期でしたので、妻の妹の旦那さんには妻の事業を手伝ってもらうことになりました。
妻の妹の旦那さんは、辞めてもらってから半年ほどは妻の事業を手伝っていたのですが、今回も転売に興味が湧かなかったみたいで、やっぱり発送業務以上のことを中々しないような状態だったようです。

ここまでだったらありそうな話なのですが、発送業務しかやっていないのに、生活が苦しいといった理由で給料をあげろといった要求を、妻のお母さん経由で始めたと聞いた時はこれが韓国かと思いました。

その後、妻の妹夫婦は韓国に帰って、妻の妹の旦那さんは元のWebサイトのエンジニアに戻ったそうです。

まとめ

この起業経験の中には、最初の時点でよく考えれば避けられたことが、結構あるのが分かります。
しかし、当事者になってみると、いろいろ考えている内に気持ちが覚めてくるのが怖くて、行動することが一番大事と思い、突っ走ってしまうことは多分誰でもあるのではと思います。

よく言われることに、失敗しない一番の秘訣は行動しないことと言う人をよく見かけます。
これは嘘ではないのですが、やる前に避けられることは避けておかないと、無駄なダメージが金銭的にも心理的にも累積していくことになります。

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