経理マンが業務委託契約でシステム会社に潜り込みました

はじめに

Webサービスがぽしゃって日銭を稼ぐ必要に迫られた時、本来でしたら経理の仕事の方がお給料が高かったと思います。

しかし、せっかくプログラミングを2年間も一生懸命頑張ったので、プログラミングで雇ってくれる会社が無いか、人材紹介会社に登録して探してみました。

すると、あるシステム会社の営業部長さんが、私の経歴を見て業務委託という形で雇ってくれることになりました。
その会社は「SuperStream」という勘定奉行よりかは上だが、OracleやSAPよりは下に位置するという、両者の中間くらいの会計システムの導入支援を行っている会社でした。

会計システムのパッケージソフトは、一からシステムを作り上げるよりもコストが安く上がりますし、新しい会計基準が適用された時もすぐに対応してくれます。
その一方で、100%自社の業務にマッチさせることなどできないので、アドオンといって追加機能を作る必要が少なからずあります。
この会社は、SuperStreamを新たに導入する会社や、新しいバージョンのSuperStreamにバージョンアップする会社向けに、各社の必要性に応じて追加機能を作るのを事業としている会社でした。

営業部長さんは、まずシステム会社なので従業員さん達はプログラミングの知識はあるけれど、会計システムを扱うにもかかわらず会計の知識がないといった話をされました。
当然、導入会社の担当者は経理部門の方達が担当されるのですが、従業員さん達は経理の知識が無いため話ができずに、すごすごと会社に戻ってくるというのです。
そのため、私のような人間が打ち合わせの時に入ってくれると助かるとおっしゃっていました。

そういうことならば、私の経験や知識も役に立てるし、プログラミングもおいおいさせてもらえるといった話だったのでお世話になることにしました。

一日中マニュアルを読んで3か月がたちました

毎日指定された時間に事務所に行き、指定された時間になると事務所から帰るといった生活をしていました。
その間何をやっていたかというと、SuperStreamのマニュアルを読むように言われたまま、ただただ放置されておりました。

このSuperStreamのマニュアルは、エンジニアの人が作ったものなのか、網羅性だけを意識した作りで、とにかく分かりにくく、長く、睡眠を誘発するものでした。
マニュアルだけでは分からないので、周りの方に分からないことを質問をすると、何やらその会社の従業員がSuperStream社に聞いた質問と答えが一覧になっているものを読んで、私に教えてくれているようです。
社員さんに調べてもらうのは相手の時間も使うし、その質問と答えの一覧を読ませてもらえれば済むと思ったので、その方にそれを読ませてほしいと頼んでみると、「それはちょっと・・・」と言った感じで見せてくれません。

業務委託という形で働くのは今回が初めてだったので、こんなに社員さんによそ者扱いされるのかとびっくりしました。
この会社を仲介していただいた会社の担当者さんが、セキュリティチェックと称して、毎月一回私に会いに来てくれるのですが、毎月「どうですか」と聞かれても「マニュアルを読んでいるだけです」と答えるしかありません。
この方と話していると、どうやらこの会社で業務委託として働いた方の定着率が悪いといった話が出てきました。
ここまで差別的な対応をされると「やっぱり」と思うしかありません。

面接の時の営業部長さんのお話に合ったお客さんとの打ち合わせなるものもありません。
こんな状態にもかかわらず、2か月が過ぎて契約更新の時期になると、営業部長さんが次は6か月の契約を結びたいと言っていることを知りました。
「こんなことをしていてもなあ・・」と思い、3か月で契約を切ることもできたので、こちらから契約を切らせていただくことにしました。

すると、営業部長さんが急に慌てだして「今辞められても困る」といった話を始めました。
そして、これから打ち合わせも出席してもらうし、プログラミングもやってもらうのでといった話を始めました。
「どうかなあ・・」と思いながら、「せっかく見つけた働き口を3か月で去るのもなあ・・」と思い、次の3か月も続けることにしました。

3ヶ月たってやっと打ち合わせに出させていただきました

こんな経緯で、お客さんとの打ち合わせに参加させていただけることになったのですが、打ち合わせに参加したところ、従業員さん達には営業部長さんが言っていた会計の知識などあまり必要ではないことが分かりました。

お客さん側の担当者はシステム担当や経理担当な訳ですが、システム屋に経理の知識を求めることなどあまりなく、それよりもSuperStreamのシステム要件などを聞いてくるのです。
これは当然と言えば当然で、お客さん側としてはSuperStreamを導入した後に問題なく運用することができるかどうか確認している訳で、それさえ分かればシステム屋の従業員が会計の知識があるのかないのかなどどうでもいい話なのです。

こんな状態なので、会計の知識があってもプログラミングの経験が少ない40代後半の人間など、あまり役に立ちそうもなく、にもかかわらずプログラミングのことで質問などされたら時間をとられるので、社員さんにとっては私は迷惑な存在だったと思います。

SuperStreamのユーザーが好意的であるのにびっくりしました

あまり仕事もない状態で、だからと言って何もせずに時間が過ぎるのを待つのも退屈なので、仮想のデータを作ってSuperStreamをいじってみました。

すると、99%の会社が使わないような余計な機能がたくさんあるのが分かりました。
このような機能があるため、マニュアルが半端ない量になって、使いづらいシステムになっているように感じました。

こんなシステムを使っている会社は、さぞや不満を抱えているだろうと思い、私に仕事の指示を出す課長さんに、お客さんからSuperStreamについてクレームが来ることなどないのですか、と聞いてみました。

すると不思議な顔をして「そんなことはありません」と答えるのです。
そして、SuperStreamのお客さんの声がサイトに載っているので読んでみたら、と言われました。いい声しか載っていないのは分かっていましたが、SuperStreamを導入して業務が楽になったという声がこれでもかと載っているのです。

それらのお客さんの声を読んでみると、SuperStream社に気を使っている訳でもなく、具体例を使いながらSuperStreamを導入して喜んでいることをインタビュー形式で話しているのです。

私は結構自信のあったWebサービスをぽしゃった経験があるので、こんな使いづらい会計システムでもお客さんを満足させることができるのが意外でした。
何だか納得できない気持ちと、私が今まで何か見当違いのことをやっていたのではという気がしました。

会計システムのマニュアルを作るように言われました

こんな感じであまり仕事もない状態で、事務所でマニュアルを読みながらちょくちょく意識を飛ばして過ごしていましたが、5ヶ月くらいたった時に仕事らしい仕事をもらうことになります。
それがSuperStreamのマニュアルをPowerpointで作る仕事だったのです。

SuperStreamのマニュアルが「網羅性だけを意識した作りで、とにかく分かりにく」かったことを既に書きました。
ベンダーやユーザーもこのことは十分に承知していたらしく、ユーザー会社の従業員さんが、SuperStreamをこれさえあれば使えるというマニュアルを作る必要があると思ったらしいです。

この話自体がSuperStreamが使いづらいシステムであるという証拠であるのですが、私としてはお金をもらいながらもう何か月も事務所で何もやらずに、ちょくちょく居眠りしながら過ごしていたので、いい時間つぶしができたといったところでした。

このマニュアル作りですが、私が作ったものを会社の担当の方がベンダーさんの所に持っていくのですが、私→課長さん→会社の担当→ベンダーさんと資料が渡るので、指示が伝言ゲームになるんです。
ベンダーさんに見せる度に何か言われるのですが、その度に、課長さんが頭を悩ませながら私に指示を伝えるという非効率極まりないことが繰り返されました。

マニュアルを作る時に、どうしてもSuperStream社に聞かないと分からないことがあって聞いてみたことがあるのですが、分かりづらい公式マニュアルしか出さないくせに、そんな基本的なことが分からなければ2~3万円する講習に参加しろと言ってくるのです。
ますますSuperStreamという会計システムを喜んで使うユーザーがいる理由が分からなくなりました。

あまりに暇なのでプログラムの勉強をしていました

マニュアル作りが一段落すると、またもや暇になり、暇な時間をつぶすために「google apps script」というプログラミング言語の勉強などをしておりました。

初めのうちは、お金をもらいながら関係のないプログラミングの勉強をするなど、気がひけるところがありコソコソやっておりましたが、ここまで何か月も仕事が無い状態であると開き直ってしまいました。

3か月の契約期間が過ぎる度に、私の方は契約を打ち切ると言い、会社さんの方はもうしばらく居てくれと言われることを何回か繰り返しましたが、何だか「仕事もやらずにプログラミングの勉強ができるなんていいのでは」などと思うようになりました。

そこで初めて私の方から契約を更新するといったところ、会社さんの方から契約を切ってきました。
いったい何だろうという気はしましたが、これで何だか分からない状態から解放されるといった解放感の方が強かったです。

まとめ

結局この会社には一年弱お世話になった訳ですが、本当に時間の無駄使いをしたなと思いました。
何も得るものがなかった一年でしたが、業務委託で働くことのデメリットがどんなことか身をもって知った一年になりました。
業務委託で働くのは不安定であるということの他に、正社員の人からよそ者扱いされて結構居場所がなくなるような働き方であるのが分かりました。

また、お金が余るくらい持っている会社というのは結構あることにびっくりしました。
私がカメラ輸出をやっていた時、人を雇って失敗してしまった経験があるため「よっぽど儲かっていなければ人など雇えないな」と思った経験があります。
しかし、この会社のように、私にほとんど仕事をさせなくても、何の苦も無く継続的に報酬を払い続けることができる会社が世の中にはあることが不思議でした。

また、SuperStreamのような、私から見ると使うに値しない会計システムでも、満足して使っている会社も多く存在する訳です。
ここら辺の疑問が解消されれば、私もビジネスを無事立ち上げる力がついたということなのでしょうが、残念ながら今でもよく分からない状態です。

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