経理マンがパワハラで訴えるために弁護士さんに相談しました

はじめに

経理マンがパワハラ上司に退職勧奨をされましたで書いた通り、私はパワハラ上司のために理不尽な退職をしなければなりませんでした。
しかし、ただ泣き寝入りをするのも癪に触るなと思っていたところ、退職直前になって会社が「〇〇〇ホットライン」というハラスメントの相談窓口を作ったことを知りました。

事前にこの窓口を周知するための研修も行われて、「この会社にハラスメントはあってはならない」みたいな社長の動画メッセージも見せられました。
しかし、会社側の相談窓口がパワハラ上司とその腰巾着の人事部長なので、この社長は正直何を考えているんだと思いました。

今回この記事を書くのにいろいろググった結果、労働施策総合推進法というパワハラ防止法が改正されてハラスメント相談窓口を置くことが義務化されたそうです。
この中小企業は一応法律には従うような姿勢があり、ハラスメントの相談窓口を設けたのだと思います。

弁護士さんを探すところから始めるとなるとかなり労力が必要ですが、会社が用意してくれた無料の相談窓口を使わない手はないなと思い、有休消化期間を使ってメールを書きました。
弁護士さんにメールを出すなど初めてだったので、ちょっとドキドキしながら出したのですが、何時間もたたずに返事が来たときはびっくりしました。

思ったよりも真面目に答えてくれるのが意外でした

結構長文なメールとなってしまいましたが、今までの経緯を書いたあと次の三点の質問をしました。

① 会社を訴えるのにかかる費用はどれくらいか教えていただけませんでしょうか。こういう訴訟を成功報酬で引き受けてくれる弁護士さんはいるのでしょうか。
② 会社を訴えた場合、勝訴する可能性はどのくらいでしょうか。勝訴した場合損害倍書金はいくらくらい受け取ることができるでしょうか。
③ 〇〇株式会社と利益相反するためなど、〇〇法律事務所様でお引き受けいただくことができない時は、他の弁護士事務所様をご紹介いただけませんでしょうか。

弁護士といえど会社が雇った方なので、会社側の人間になります。
その方に、かなりマジ&直球モードの質問をしたため、メールを送った時は「話せばわかる」みたいな法律とは無関係な回答になるのではと思っていたのですが、結構率直に私が聞いたことにご回答をいただけたのは意外でした。

会社を訴えるのにかかる費用はどれくらいか

まず「会社に対して何を請求したいのか」が分からないと答えられないと言われました。
ドラマの中でよく「訴えてやる」と叫ぶ人がいますが、法律違反を指摘しないと訴訟にはならない訳です。
「退職を争って給与相当分の支払を請求するのか、ハラスメントを理由に損害賠償請求をしたいのか等」何を会社に求めるかをはっきりする必要があると言われました。

基本的に弁護士費用は請求額に応じて概ね旧日弁連基準に従って決まるそうです。
私の場合は、この表の【民事事件】→「1 訴訟事件(手形・小切手訴訟事件を除く)・非訟事件・家事審判事件・行政事件・仲裁事件」のところを見るそうです。

仮に500万円を請求する訴訟を起こすとなると、着手金だけで、
5,000,000 × 5% + 90,000 = 340,000
になります。
これに消費税が加算されて、実際の請求額は374,000円となるわけです。

会社を訴えた場合、勝訴する可能性はどのくらいか

この質問をした時に答えてくれるとは思っていませんでしたが、やはり「一般論として、弁護士が受任前に勝訴の可能性がどれだけあるかを言うことはまずないと思います。」というご回答でした。

これも「会社に対して何を請求したいのか」により変わり、なにより「訴える側に立証責任がありますので、何の損害賠償請求をするのかにより、立証できるのかどうかを検討しなければ勝訴できるかが分かりません。」とのことです。もっともなご回答です。

また、他の弁護士事務所をご紹介いただくことは、特定の弁護士を紹介することも利益相反になるためできないそうです。
そのため「弁護士会の法律相談等をご紹介するくらいしかできません。」ということでした。

やっぱりそれなりの費用がかかりますね・・・

旧日弁連基準を見て「仮に請求額を10万円にすれば8千円+消費税ということになるのでしょうか。」と追加の質問してみました。
私としては、会社からお金をふんだくることが目的ではなく、ただ泣き寝入りすることに不満がある訳で、自分に負担できるお金で訴訟ができればそれに越したことがないのです。

この質問に対するご回答は「通常の事務所では最低着手金が定められています」とのことでした。
やっぱりといったご回答でしたが、ちなみにご相談した法律事務所の最低着手金は10万円(税抜き)だそうです。

「法律相談だけでも1時間あたり1万円(+消費税)ですし、会社を相手にする訴訟を10万円で受任してくれるところは少ないかもしれません。」だそうです。
訴訟をするにはお金がかかるといった話はよく聞きます。
よっぽど大きな金額を求めるのでなければ、訴訟はやるだけ手持ちのお金が減っていくものだということを実感しました。

法律違反を立証できますか

「会社に対して何を請求したいのか」が分からないと勝訴する可能性が無いと言われた私は、ハラスメントを理由に損害賠償請求を請求したい旨を伝えました。
また、最初のメールにパワハラ上司からのメールの画像コピーを証拠のつもりで添付していたのですが、この資料で立証できるかを聞いてみました。

それに対する弁護士さんからの回答は、
「立証の内容としては、大まかに申し上げると、
・行為の違法性
・その行為により生じた損害
・行為と損害の因果関係
になります。」
とのことでした。

これをふまえて考えると「過去の経緯等の周辺事情についての立証や周りの方の証言等が必要になってくる」とのことでした。
私が証拠のつもりで添付したメールの画像コピーは、弁護士さんの見立てでは「客観的に見ると、業務上の指示等がなされている」だけにしか見えないのだそうです。

この回答をみて、添付したメールの画像コピーを見直してみると「そういわれてみるとそうかな・・」と思えてきました。
このメールを受け取った時の私の状況を知らなければ、私がこのメールを見てドキッとして不安になったことなど伝わらず、ただの外国人が書いたような下手な日本語の指示にしか見えないかなと思いました。

「その行為により生じた損害」についても考えてみましたが、私は別にパワハラ上司のためにうつ病になった訳でもなく、健康を崩した訳でもありません。
率直に言ってしまえば、ただ「むかついた」というだけです。
「損害が生じているか」と聞かれたら、具体的には何も損害が生じていない訳です。

仮に私がうつ病になった場合でも、「行為と損害の因果関係」つまりパワハラ上司の行いによって私がうつ病になったことを立証しなければなりません。
こんな場合、おそらく病院の診断書を提出するのではと思うのですが、それをしてもいくら損害が発生したか訴える時には、病院代や働けなかった時のお給料くらいしか請求の対象にならないといったことになると思います。

今まで訴訟を起こすことなど考えたこともありませんでしたが、具体的に訴訟を起こすことをいろいろ考えると、立証の段階で「これは無理かな・・」ということになり、結果泣き寝入りすることになるんだなあと思いました。

こんな公的機関もあるんだ・・・

訴訟は難しいかなと思った私ですが、他になにか手段がないかググってみたところ次のようなサイトを見つけました。
個別労働紛争解決制度(労働相談、助言・指導、あっせん)

こちらの制度を利用すると以下のようなことを無料でお願いできるそうです。
・解雇、雇止め、労働条件の不利益変更などの労働条件に関する紛争
・いじめ・嫌がらせなどの職場環境に関する紛争
・退職に伴う研修費用の返還、営業車など会社所有物の破損についての損害賠償をめぐる紛争
・会社分割による労働契約の承継、同業他社への就業禁止など労働契約に関する紛争
・募集・採用に関する紛争(※あっせんは除きます。)

この制度についても弁護士さんに相談してみましたが、私の場合こちらの「いじめ・嫌がらせなどの職場環境に関する紛争」に該当するかもしれないけれど、辞めてしまっているので利用はできないのでは、という意見でした。

まとめ

時間をかけて弁護士さんとメールのやり取りをしてみましたが、結局当初想定したとおり、訴訟などはやめておいた方がいいという結論になりました。
しかし、自分で勝手に結論を予想して何もしないのと、自分で少しでも動いてみて結果訴訟などやらないと結論を下すのは気持ち的に違うと思いました。

もう少しで50になるといった歳でまた転職活動をしなければならないのか、それもコロナが流行っている中で、と当初は結構落ち込みました。
そして、退職勧奨を受けてから13社も面接を受けましたが、今は落ち着いて働ける職場に無事移ることができました。

今回で自分で作った会社を含めると8社目になります。
それぞれ辞めた理由はいろいろあるのですが、結論としては、変な会社からはすぐ辞めると経歴に傷がつくなど考えずにすぐ辞める、一度居心地のいい会社に勤めたら、この先働き続けても未来がないなど考えずに、居心地のいい職場は有難いことだとただ感謝しながら勤めることだと今は思っています。

コメント