米国公認会計士試験に受かったけど・・・経理で英語ができるとどうなるでしょう

はじめに

経理部門で働いていて将来の転職のために英語を勉強している方はいますでしょうか。
海外の子会社や取引先とメールや電話で話す機会があるのに、自分の英語力が不十分だと感じている方はいますでしょうか。

経理マンが英語を勉強する理由はいろいろあると思います。
そして英語ができる経理マンは、できない人に比べていろいろ得することもあるのが現実です。

しかし、英語を習得するにはIT業界でいう学習コストが非常に高いのが難点です。
プログラミングの世界では、C言語、Ruby、Pythonなどいろいろな言語があり、習得が難しい言語のことを学習コストが高いと言います。
なにやら難しい言葉を使っていますが、要するに勉強が難しいか簡単かを学習コストが高い低いと言っている訳です。

英語の学習コストはどうかというと、スーパーウルトラハイです。
自分で書いていて何のことやらと思ってしまいましたが、要するに、人によっては一生勉強しても習得できないレベルだという意味です。

「経理で英語ができるとどうなるでしょう」というタイトルを書いてしまいましたが、私はどんな場面においても仕事ができるレベルの英語力はありません。
とはいってもTOEICで900点くらいのスコアをとったことはありますし、一般の方よりは英語の勉強に時間をかけてきました。
しかし、「英語の習得は無理じゃないかなあ・・・」と何年か前にあきらめて現在に至っています。

このブログでは、経理マンは英語を勉強した方がいいのか、他のことに時間を使った方がいいのかについて、私の経験を基に独断と偏見を持って判断します。

米国公認会計士試験に合格

私は20年くらい前にアメリカの公認会計士試験に合格しています。
今では珍しい資格でもないものですが、当時は米国公認会計士試験の専門学校が始めて出現したころでした。
当時は日本での受験はできなかったので、休暇をとってハワイまで試験を受けに行きました。

私が米国公認会計士試験を受けようと思ったのは英語を勉強するためです。
税務署に勤めていた時、海外旅行に行くようになり「英語を話せた方が楽しいかも」と思ったことがきっかけです。

ただ、NOVAみたいな英会話スクールにいって英会話をいくらやっても英語が話せるようになるとは思えませんでした。
何か目的があった方が英語の勉強に身が入ると思ったのですが、この判断は正しかったです。
英語を使えるようになるには、まずは必要な数の英単語を覚えなければならず、自分の感覚だと二万くらいは必要だと思います。
高校時代に必須英単語3,000を暗記させられた記憶がありますが、あの程度では言葉の数が足らないため何もできないのです。

この語彙を増やすという意味と、英文を頭から読んで理解するのに慣れたという点で、米国公認会計士試験の受験は結構意味があったと思います。

アメリカで語学学校に入る

税務署の仕事が心底嫌いであった私は、米国公認会計士試験に受かったのを機にアメリカで仕事に就けないかと考えました。
昔から将来のことを楽観的に考えるところがあるのと、やらないで後悔するより、やって後悔する方が性に合っている気がしていました。

アメリカで仕事をするにはどうすればいいかと考えていた時、英語の雑誌の中で、最初にビジネスインターンというものをやって、ビサを取得して仕事につなげたという記事がありました。
このビジネスインターンをカリキュラムに入れている語学学校があったため、学生ビザをとって、この語学学校に在籍することにしました。

ビジネスインターンを始めるには、最低でも始めの一か月は語学学校で勉強しなければなりませんでした。
この語学学校で勉強しなければならない期間は、最初にテストを受けさせられて、そのテスト結果で決まります。
私の当時のTOEICのスコアは740点くらいだったと思いますが、ビジネスインターンを始めるには、君はあと3か月は勉強が必要という判定でした。

自分でも仕事でつかえるような英語のレベルだとは思っていなかったので、3か月くらい勉強するのもいいのではと思いました。
しかし、語学学校は英語を勉強する環境としては良くなかったです。
一教室に生徒が10~12人くらいいたと思います。
日本人が4~5人いるのは想定内でしたが、スペイン・ポルトガル圏の人が3~4人、ヨーロッパ圏が2~3人、韓国人が2人くらい、その他1人といった感じだったでしょうか。

想定外だったのは、スペイン・ポルトガル圏やヨーロッパ圏の人は英語の発音を適当に話すんですね。
同じアルファベットであるため、自分たちの国にも同じような綴りの言葉があるのか、辞書を読まずに勘で話すため、日本人が聞いてもよく分からないのです。

また、彼らにとっても日本人が話す英語は発音が下手すぎて聞き取れないようです。
辞書通りに話していると思うのですが、声の出し方が根本的に違うのか、声の周波数が違うようで、何だか聞き取りずらいらしいです。
そんなこともあり、こちらから彼らに話しかけても「こいつ何言ってんだ」といった反応になるわけです。

アメリカに行く前は、3か月くらい現地にいれば英語を話せるようになるという都市伝説みたいなものを信じていました。
案の定そんなことは無かったのですが、それというのも一般的な生活の中で、年がら年中おしゃべりをしながら暮らしている人はよほどの話好きの人だけで、大抵の時間は口を閉じて暮らしている訳です。
それが、飛行機に乗って何時間か西に向かったところで、いきなり話好きになる訳がないので、現地に行ったからといって英語が話せるようになる訳がないのです。

最も重要なことは、英語がきちんと話せる外国人は、自分の国で英語が話せるようになるまで勉強してから、英語を使って何かをするためにアメリカに来るのです。
アメリカに来てから英語を勉強するような人間は
いつまでたっても英語を話せるようにはならないのです。

アメリカでビジネスインターン

いつまでたっても英語が上達したようには感じられなかったのですが、語学学校にいても英語が上達するとは思えなかったので、ビジネスインターンを始めることにしました。

最初は、WhitePlainsというNewYorkのBronxからバスで30分くらいの所にある町の会計事務所でビジネスインターンを始めました。
パートナーが二人に、受付の女性が一人の小さな会計事務所です。

当初の私の予想では、無給なのでこれ幸いとばかりに仕事をたくさんやらされるのではと思っていました。
しかし、ある部屋をあてがわれて、そこにある本を読みながら一日が終わるといった毎日でした。
ビジネスインターンは基本的に無給なので、働いてもらわなくても事務所としては懐が痛まないといった捉え方をすることは想定外でした。

これでは通ってもしょうがないと思って、学校に相談して別の会社を紹介してもらいました。
Merrill Lynchという有名な会社に行くことになったのですが、ここも御多分にもれず暇でした。
結局ビジネスインターンというものは、学生が推薦状というものをもらって、それをもって仕事を探すというものなので、ビジネスインターンが即仕事につながるわけでもなかったわけです。

海外進出している日本企業での英語

アメリカで就職するのは厳しそうと思った私は、海外駐在のチャンスのある会社に就職した方が、海外で早く働く機会を持てるのでは、と思いました。
そこで、新聞の求人案内を見て、NewYork証券取引所に上場すると書いてあった会社に応募して無事入社することができました。
どうやら米国公認会計士試験に受かりましたというのが少しは役に立ったようです。

この会社のお客さんは、海外に工場を持っている会社さんが多いらしく、お客さんの海外展開にくっついていくような形で、世界に子会社を作ってきたそうです。
韓国の子会社の担当者とは日本語で対応できたようですが、他の国の子会社の担当者とは英語でコミュニケーションをとることになります。

この会社に入って会社でTOEICを受けた時のスコアは940くらいだったと思います。
しかし、正直に言ってどんな状況でも英語で対応できるといった自信みたいなものはありませんでした。
なぜなら、この会社の経理部員は、何年か経験を積むと海外の子会社に5年くらいは出向することが多く、海外出向してきた方にはかなわないなと思うことがよくあったからです。

いくらTOEICのスコアが上がっても、実際に英語でコミュニケーションがとれるとは限りません。
TOEICで聞く英語は、西海岸の人達が話すFLATな英語で、第二外国語として英語を覚える時には聞きやすい英語です。
しかし、東海岸に行くとちょっと癖のある英語になってきて、何を言っているのか分からないといった経験もしました。

例えば、日本語にいろいろ方言があっても、日本人であればどんな方言の日本語でも大抵理解することができるわけです。
海外出向経験者は、お世辞にも流ちょうな英語を話すわけではなかったのですが、話す相手がどんな分かりずらい英語を話してきても問題なく理解してしまう訳です。
このようなどんな癖のある英語でも理解できるかどうかが、英語が本当に使えるかどうかの分かれ目になるのではと思います。

10年以上英語に関わらないとどうなるか

その後も英語を使う会社や会計事務所に5年くらい勤めたのですが、その後10年くらい国内だけで事業を行う大手のIT企業に勤めました。
国内で事業を行う会社であったため、最後の2年くらいは海外の会社を買収したため多少英語を使いましたが、ほとんど英語とは無縁の生活を送りました。

しかし、お給料も少しずつですが増えていったり、開示資料の作成、他社との合併や、国際会計基準の導入など経理マンとして他では経験できないことも経験できました。
起業に失敗した後、現在サラリーマンに戻っているのですが、この求職活動中に役立ったのが、英語ではなく、この企業での経験でした。

しかし、求職活動中に感じた別のこととして、英語がネイティブ並みに話せる場合のお給料の高さも色々感じました。

まとめ

ずっと英語を使うような会社に勤めていたら、自信をもって「英語が使えます」というレベルになっていた可能性もありますが、外国語を使って仕事をするのもそれなりにプレッシャーがかかります。

プレッシャーのかかる環境で引き続き努力をしてきたら、今とはお給料もポジションも違っていた可能性もあります。

しかし、こんな学習コストが高いものを学ぶ暇があったら、プログラミングなど他に学ぶべきものがあるのではないかと、途中で英語をあきらめてしまった落伍者は考えてしまうのです。

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