経理マンの起業スクール体験記No.2・・オーダーメイド起業プログラム

はじめに

オーダーメイド起業プログラムに出会ったのは、カメラ輸出の事業がうまくいかなくなり、新しい事業を始めたいと思っていた頃でした。

考えてみたらカメラ輸出の事業はお金になったので一生懸命やっていたのですが、私の経歴とは全く無関係のことで起業をしてしまっていました。
そこで、今度は私の経理の経験と、せどりの経験を活かした事業を始めたいと思いました。
色々考えた結果、新しい事業として、せどりをされている事業者のための会計システムを作るのがいいのではと思いました。

今までやってきた転売の仕事は、扱う商材や仕入先や販売先の違いはあれど、ある程度やり方が決まっている商売です。
つまり、ある程度のお金は必要になりますが、自分が扱いたい商材の転売スクールに参加すれば、手探りで試行錯誤することなく最短距離で稼ぐところまで到達することができます。

一方、私がやろうとした会計システムの事業は、こうやったら最短距離で収益があがるといった確立した方法はありませんでした。
会計システムを扱う大きな会社は何社かありますが、当然ですが、これらの大きな会社の真似をしたところで勝負にならないことは目に見えています。
そこで、小規模なWebサービスを作るスクールみたいなものがあればと思って探してみたのですが、残念ながら見つかりませんでした。

しかし、この過程で見つけたのが、フォレスト出版と五丈凜華さんという方がタイアップしていた「オーダーメイド起業プログラム」という起業スクールでした。

プレセミナー

「オーダーメイド起業プログラム」に出会ったのは、四回にわたって行われた「オーダーメイド起業WEBセミナー」と題したプレセミナーを見たことがきっかけです。

500人に対して500種類のビジネスを提案してきたという五丈さんという方が、誰もがみんな持っているビジネスの才能を使って起業できますといった内容の話で始まりました。
これだけだと、よくあるセミナー集客のためのマーケティングメッセージだなと思ってしまいますが、続く話が結構具体的なのです。

まず「時間給」と「才能給」という話が出てきました。
「時間給」は一時間働いたらいくらお金がもらえますという自分の時間を切り売りしてもらう報酬だといっています。
一方で、「才能給」とは、自分しか持っていない才能を使って商品・サービスを提供した対価としてもらう報酬であり、「才能給」でお金を請求することができるようになると、こちらの言い値で報酬を受け取ることができるようになるといったお話しでした。

そして、①モノづくりビジネス②先生ビジネス③マッチングビジネスの三つの中からビジネスを選んで、自分のビジネスの才能を使ってビジネスモデルを作り上げれば、資金ゼロから起業することができるという話が続きます。

その上、15個の○✕式の質問に答えていくと、上の三つのビジネスの内、自分がどのビジネスに合っているのか適性診断をすることができるそうです。
三つの内、どのビジネスに適性があるか分かったら、自分が過去3年以上行ったことを書き出して、その中の二つ以上を掛け合わせて独自のビジネスモデルを作り、先行者利益を狙いましょうといったような内容でした。

ここまでが「オーダーメイド起業プログラム」の受講を促す無料セミナーの内容でした。
最後に「オーダーメイド起業プログラム」の内容の説明があったのですが、その中に五丈さんと一時間面談をして自分が考えたビジネスモデルをチェックしてもらえるといったものがありました。
ある程度自分がやりたいビジネスは決めてありましたが、誰にも相談することもなく決めてしまうのはリスクが高いと思っておりました。
「オーダーメイド起業プログラム」の内容も、ゼロベースからの起業を想定しており、一から起業について学ぶのもよいと思い受講することに決めました。
受講料は398,000円でした。

セミナーについて

「オーダーメイド起業プログラム」の受講期間は6ヶ月で、毎月一回渋谷でセミナーが開かれます。
五丈さんが女性だからなのか、「オーダーメイド起業プログラム」の募集時のペルソナが女性を対象としたものだったのか分かりませんが、見た感じでは6割が女性だったと思います。
奈良、愛媛、富山など全国からわざわざ東京の会場までセミナーを受けに来ている方が多かったのがすごいと思いました。

セミナーは座学が中心ではあるのですが、途中ワークという実際にやってみましょうといった時間が設けられていたり、受講者から意見や体験談を聞いたりする時間がありました。
私の感想としては、受講者からの体験談など聞いても、果たしてこれが自分に役に立つのか疑問に感じました。
起業したことがある経験者の失敗談だったらお金を払ってでも聞きたいところですが、このセミナーに来ている方のほとんどは起業をしたことが無い方です。
起業をしたことが無い方の意見は、学生たちに社会人になったらどうなると思いますかと聞くのと同じくらい内容の薄いものになります。

しかし、ワークについては参考になるものが結構ありました。
座学で「こうした方がいいですよ」と聞いたから実践しようと思っても、なかなか実践する相手が見つからず、その内教えてもらったことが記憶の彼方に消えてしまうということがよくあると思います。
実際にセミナー会場に行ってワークを行う時間になると、最初はものすごく億劫な気分になりますが、実際にやってみると「これはやってみないと分からなかった」といった納得感を感じることになります。

例えば、「セールス脳開発トレーニング」と題するセミナーがあったのですが、その中で「こんにちは」というワークがありました。
これを聞いただけでは「なんじゃこりゃ」となるワークですが、パートナーとなった方に最初は普通に「こんにちは」を言います。
次に、パートナーとなった方が幼稚園の園児に幼児返りした姿を想像して「こんにちは」を言うと、「こんにちは」を言った本人も、「こんにちは」を言われた人間も、最初とは全く印象を持つといったワークでした。
これも話を聞いただけでは「はあ。そうなんだ」で終わってしまうところですが、実際にやってみるとかなり強烈な印象を頭に残すことになります。

三つの天職ビジネスモデル

プレセミナーでも簡単にやりましたが、本番のセミナーでは質問が125個もあるビジネスモデル診断シートに回答しました。
プレセミナーの時は、①モノづくりビジネス②先生ビジネス③マッチングビジネスの三つのどれかを診断するものでしたが、セミナーではさらに細かく9個に分けて診断を行うといったものでした。

どのビジネスモデルに適性があるというのは、結構気になるものです。
それを○✕式の質問で分かってしまうと言われるのは、なんだか占いか何かと同じような印象を受けました。
正直に言うと、どこまでこの診断が当たっているかよく分からないところがありました。
しかし、結果を見てみると「言われてみればそうかも・・」といった納得感はありました。
それに、これくらい割り切って「あなたの適性はこれです。」といってもらえないと、なかなか前に進めないといった人間も少なくないと思うので、これはこれでいいのではと思いました。

ちなみに私の適性は、ものづくりビジネスの「モノをつくる」と「システムを作る」と先生ビジネスの「講師系」の三つでした。
頭の中で考えていた会計システムを作るといったビジネスの適性がありそうだと判断されて、ちょっとほっとしました。
人と人の間に立って何かをするマッチングビジネスの適性がないという診断は「まあそうだな」と思いました。

面談

ビジネスモデルを作る前段階として、今までやったことがあることを100個書き出すワークが出されました。
五丈さんは、あまり考えずに「歯を磨く」くらいのことを一つと数えれば、すぐ100個くらい出るのではとおっしゃっていましたが、歯を磨くではビジネスにならないのではと思い、少し真面目に考えました。
真面目に考えると100個書き出すのは結構骨が折れる作業でした。

100個書き出した後、その中で3年以上継続してやったものをピックアップして、その中の二つ以上を掛け合わせてビジネスモデルを作りました。
本当は会計システムでなくても、よさそうなビジネスがあれば他のものでもよかったのですが、他に適当なビジネスが思い浮かばず、会計システムで「ビジネスモデル構想シート」なるペラ一枚の紙を記入して、神楽坂のフォレスト出版の事務所で五丈さんと面談することになりました。

結論から言うと、この面談は成果の乏しいものでした。
私の考えた転売業者向けの会計システムについて説明したところ、真似されやすいことと、システムが完成できるかといった実現可能性が問題点といわれましたが、こんなことは言われなくても分かることでした。

私としては会計システムにこだわらなくても、もっとよいビジネスがあれば、そちらを選択するつもりでしたが、私が3年以上継続してやったものを掛け合わせて考えたビジネスの一覧を見せても五丈さんがピンとくるものがなさそうでした。
また、私はシステム作りで起業した方の経験談を聞けないかと思って聞いてみたのですが、どうやら先生ビジネスを選ぶ方がほとんどで、システム作りで起業した方のコンサルをされたことが無いそうでした。

一時間近くあれこれ話した後、「転売業者向けの会計システム・・いいんじゃないでしょうか」と五丈さんは言って、他に選択肢が無いから決めてしまおうといった感じでビジネスモデルが決まってしまいました。

結局どうなったか

この面談の後、早速会計システムを作りにかかりました。
当初は、システム屋さんに作成をお願いするつもりでしたが、TechAcademyというプログラミングスクールで聞いてみたところ「頑張れば一か月、普通で二か月くらい」で完成できると聞いたので自分で作成することにしました。
この辺のシステム作りについては、経理マンの起業体験記No.2・・Webサービスで記事にまとめましたのでよろしければご覧ください。

結論から言うと、システム作りに思ったより時間がかかってしまったため、「オーダーメイド起業プログラム」の受講期間である6ヶ月までに、モニターさんを見つけてファーストキャッシュを得るという授業内容に全くついていけませんでした。
「オーダーメイド起業プログラム」が想定しているのは、おそらく先生ビジネスであって、自分が持っているノウハウを言語化・メソッド化できれば6ヶ月間でファーストキャッシュを得ることも可能かなと思います。
しかし、モノづくりビジネスやマッチングビジネスでは商品を作るのに時間がかかりすぎて、6ヶ月間ではファーストキャッシュどころか、商品の完成まで持っていくことができないと思われます。

セミナーの中でファーストキャッシュを獲得できたといった方が何人か紹介されていましたが、おそらく片手プラス少しくらいの人数しかいなかったように思います。
それくらい自分でビジネスをゼロから作り上げるのは難しいといったところでしょう。

まとめ

この記事を書くために久しぶりに「オーダーメイド起業プログラム」のサイトを見てみたところ、4年前に行われたセミナーなのに、まだセミナーの録画を見ることができてすごく感動しました。
普通はスクールが終わって三か月もすればホームページにアクセスできなくなることなど珍しいことでは無いのにです。
ジェイ・エイブラハム『Business Journey』などは、すぐにアクセスできなくなっていた記憶があります。

結局結果は出ませんでしたが、カリキュラムの内容自体はとてもいいものでした。
ジェイ・エイブラハム『Business Journey』やDIRECT出版の教材などで、アメリカの教材を翻訳している情報を買ったことが何度かありますが、満足度は最低ランクでした。
これらアメリカの教材を売るためのセールストークとして、日本でまだ知られていないマーケティングテクニックを知ることができるといったものがあります。
これは嘘ではないのですが、それ以上に日本の実情に合わない話がてんこ盛りになっているものが結構あり、高いお金を払った対価として不必要なイライラを抱える場合がほとんどです。
それに比べて日本人が販売している教材は、日本の実情に合った情報を素直に入手することができ、変なイライラとは無縁でいられます。
「オーダーメイド起業プログラム」のセミナーの動画もまだみることができるので、暇をみてセミナーの動画をまた見てみたいと思います。

ただ「オーダーメイド起業プログラム」は、全ての授業が起業とは必ず成功するものだという前提で話されているのが、今思うと下手に一つのビジネスに固執してしまう原因を作ってしまうのではと思っています。
一度起業で失敗してしまった今だから言えることは、起業は当たり前に失敗するものだということです。
失敗することを前提に何度かチャレンジする必要があるということを話してほしかったなあと思ったりしています。

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